eラーニング推進機構活動概況について


eラーニング推進機構
喜多敏博 ・ 松葉 龍一

1. はじめに

eラーニング推進機構 http://www.ield.kumamoto-u.ac.jp は,熊本大学全学のeラーニング利用を推進する組織である平成20年度も機構長(西山理事 教育担当副学長)の下、4つの室(eラーニング推進室、eラーニング授業設計支援室、アプリケーション開発室、システム管理運営室)及び4つのワーキンググループ(コンテンツ評価、システム評価検討、カリキュラム検討、著作権等検討)を設置し、専任の教授、准教授、技術職員、各1名並びに、全学からの兼務教職員20名程度による全学的で、強固で円滑な運営体制を確立している。さらに、eラーニング推進室内にeラーニングサポートステーション(前身は総合情報基盤センターの教材作成室)を設置し、専任職員3名に加え、10名前後の非常勤技術職員による組織化を行い、全学へのサポートサービスを実践している。





2. 教育関連の活動

全学教職員、学生支援として、eラーニングコース開発・学習コース運用全般に関する質問、トラブル・苦情対応など、学内におけるICTを活用した教育にかかわるワンストップサービスの提供を目指した活動を展開している。eラーニング教材の開発に関しては、全学各部局より依頼により、新規開発では、32コース(理・工・自然:7、教養:4、医・薬・保健:15、文・法・社文:16)、改善・改訂開発10コースを行った。新規開発における特質的なコースとしては、国際連携により開発を行った、社文研教授システム学専攻科目 グローバル教育戦略があげられる。本科目の開発にあたり、講師招へい(5)と講演会実施、同撮影と編集、その後の教材開発を一貫して行った。さらに、H20年度の特徴として、教職員研修会のeラーニング開発 6件を行ったことがあげられる。これまで、講習会等の対面形式で実施していた職員研修会をeラーニング化することにより、拘束時間と場所による制約を取り除くことができるため、これまで以上に、積極的な研修会参加を見込めるようになった。この点において、学生だけでなく、職員のための教育に大きく寄与できたと考える。eラーニング、ICTを活用した教育・学習実践の運用補助に関しては、完全遠隔学習を実践している教授システム学専攻(/後期博士課程)の補佐を中心に行っているが、185コースのクロスリストの作成をはじめ 、eメール/電話対応など、対面と遠隔(eラーニング)を併用している多くの学習コースの補助も精力的に行っている。ICTを活用した教育の国内外の動向、最新情報の提供するために、国際セミナー(3)eラーニング連続セミナー(4)、ポートフォリオ研究会(1)を開催・運営し、本学でのICTを活用した教育の実践と教育内容向上のための様々な取組へも積極的に関与、貢献を果たした。



3. 研究関連の活動

熊本大学はシステムと教育両面における最先端のeラーニング実践を行っている組織として、全国の高等教育機関に認知されている。本学主催(当推進機構が運営を担当)eラーニングにかかわるセミナー、講演会は全部で12件あり、延べ600名以上(1回平均 50名程度)の参加があった。国内学会、カンファレンスへも積極的に参加し、専任教員(教授、准教授)が行った対外発表は10件程度あり、参加学会/研究会では、セッション座長等も務めた。さらに、9月には、社文研 教授システム学専攻とも協力により、教育システム情報学会の全国大会を本学にて開催した。3日間の開催期間中に、延べ1,800名強の参加者があり、学会の運営、学生、教員の発表、ワークショップ等を通じて、本学の様々な取り組みと研究成果を、広くアピールすることができ、大変な盛況と成功を納めた。



4. 国際交流・社会貢献関連の活動

大学教育機能開発総合研究センター、社文研 教授システム学専攻と協力し、熊本開催3件、東京CIC開催1件の国際セミナーを実施した。同セミナーの開催にあたり、全部で10(米国:6名、英国:3名、韓国:1)の招へいを行い、セミナーにおける講演だけでなく、本学のICTを活用した様々な取り組みや、教育プログラムを紹介し、研究上の議論に加えて、本学の取り組みについての各分野の専門家による非常な高度で有用な改善指摘等々を受けることができた。社会貢献としては、大学病院、熊本市消防局、NPO法人 熊本インターネット市民塾と協力し、法令に定められた救命救急士、薬剤師講習のための eラーニング教材の開発、運営を行っている。上記以外の社会貢献としては、専任教員によるマスメディアの取材対応並びに、国内外からの視察対応18(60名弱)、講演会講師 2(全国規模2)などがある。



5. その他

学内部局が開催するイベントにおけるポスター制作、イベント、集中講義等における当機構の保有する撮影機器などの貸し出し、利用のためのレクチャ、eラーニングの全学普及のための学習管理システム利用講習会なども実施した。また、文学部附属永青文庫のWeb全般を制作した。さらに、理事会、科研費講習会におけるTV会議システムの準備、運用を行うなど大学運営への貢献も積極的に果たしてきている。また,eラーニング授業設計支援室が主催するランチョンセミナー、毎週一回昼の時間に行い,eラーニングを中心とした学びに関する研究や実践に関する情報の交換の場を全学および学外にオンラインで提供しており,平成20年度には9回実施した。

今後も総合情報基盤センターと密に連携しながら,学内への貢献,学外へのPR等を行っていきたい。



平成20年度における主要な行事

月 日

主な行事

備  考

414

前学期 開講

新規・改定科目開講と運用補佐

421

熊本大学 GPフォーラム

教授システム学専攻と共催

422

14eラーニング連続セミナー

百周年記念会館

63

熊本大学 国際セミナー

教授システム学専攻と共催

710

1eラーニング推進機構運営委員会

 

724

FD講演会

附属病院の補助

730 - 81

e-Learning World 2008

教授システム学専攻の補助

85

オープンキャンパス2008

eラーニング体験デモを出展

829

15eラーニング連続セミナー

大教センター

93-5

教育システム情報学会

教授システム学専攻

929

熊本大学 国際教育セミナー

教授システム学専攻と共催

101

後学期開講

新規・改定科目開講と運用補佐

1016

ポートフォリオ研究会

教授システム学専攻と共催

1215

熊本大学 国際教育セミナー

教授システム学専攻と共催

35

熊本大学 国際セミナー

教授システム学専攻と共催

関連サイト



eラーニング推進機構 http://www.ield.kumamoto-u.ac.jp

eラーニング連続セミナー http://el-lects.kumamoto-u.ac.jp/

平成16年度 特色GP http://gp.kumamoto-u.ac.jp

平成19年度 大学院GP http://gp.gsis.kumamoto-u.ac.jp

教授システム学専攻 http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp

ランチョンセミナー http://adev.ield.kumamoto-u.ac.jp/wpk/